ゲームの話ばかりで人生設計が地下迷宮。

ゲーム(たまに雑記)を中心に話を垂れ流す、見る人のハートを損得+-ゼロにする日記。つか要点掴んで話するの苦手なので最早ダイイングメッセージ。

ゲーム垂れ流し38本目 ルフランの地下迷宮と魔女の旅団

ダンジョンRPGというジャンルを生み出したアメリカでは、現在「古くさいジャンル」として見なされているそうです。
実際は細かい変更や新しいシステムなどを取り入れて様々な試みがなされているものの、ダンジョンRPG自体が完成されたジャンルですから、大きな変化というのは難しいのでしょう。

そんな中、日本一ソフトウェアより発売された1本のゲームソフト、「ルフランの地下迷宮と魔女の旅団(以下ルフラン)」。
ノウハウはなくとも開発力の高さと斬新さを存分に発揮したこの作品は、「新世代ダンジョンRPGと言っても差し支えない出来栄えだと思います。


★ルフランの地下迷宮と魔女の旅団(PSV)


それは魔法が密かに存在する、テネスと呼ばれる世界。

その世界にある都『ルフラン市』では、前人未到の地下迷宮が広がっていた。
そこには莫大な財宝があるとも、不死の秘密が眠っているとも、恐ろしい魔王が潜んでいるとも言われているが、真偽の程は誰にも分からなかった。

ある日、大魔女『バーバ・ヤーガ』を名乗る女性、『ドロニア』が市長の要請を受け、迷宮の探索のためにルフラン市へ馬車を走らせていた。

弟子である『ルカ』と共にルフラン市を目指す彼女の手には、「迷宮探索の唯一の生き残り」と言われた男が記した書物、『妖路歴程(ようろれきてい)』が握られていた。



ディスガイア」シリーズで知られる日本一ソフトウェアによる、ダークな世界観と常識を踏み越えたシステムが特徴の作品に仕上がっています。

実は前回にちょこっとレビューしていまして。


いちいち記事を開くのも面倒だと思いますので、その時の内容をまずは転載させて頂きます。


↓前回の内容↓


ダンジョンRPGの常識とダンジョンの壁を“壊す”~


ある程度本編を進めることで、プレイヤーは魔女の『ドロニア』から、ダンジョンの一部の壁を破壊する力を授かります。
迷宮の仕組みに四苦八苦しながら進むダンジョンRPGの骨組みをぶっ壊していくなんて、今まで見たこともありません。

仕様上、破壊することで新たな道に進むのですが、全てがその限りではなく、ハズレも存在します。しかしそのハズレですら多少は周りの景色が見渡せるのことで全体図の把握に役立つ可能性も含んでおり、場合によっては有用だったりします。


ダンジョン内の1つのマップの枠組みを更に追加するという手法は、考えてみると単純ながら斬新でした。



~全てのキャラクターが活躍できる~


この手のゲームにおいて、キャラクターメイキングは重要ですが、ここまで戦闘に直接参加できる人数の多さは間違いなく過去最高です。


ダンジョンRPGだけでなく、大抵のRPGの戦闘画面って1つの枠にキャラクターが1人じゃないですか。

このゲーム、1つの枠に最高3人詰め込めますから。

細かい説明は割愛しますが、更に画面に出てこないサポートメンバーを入れられるので20人前後の大所帯にすることもできます。


経験者なら分かるかと思いますが、通常はセカンドパーティーを作るのに対して、こちらは常にフルメンバー且つ状況によってはアタッカーとサポートメンバーの入れ替えで戦況を有利に導くこともできます。

こちらも時が経つにつれてそのシステムに感心しました。
自身の作成した全キャラクターといつでも関われるのって、すごく楽しいですね!


↑前回の内容↑


ここまでが前回の記事になります。
この時は特徴的且つジャンルの枠組みに囚われないシステムについて述べさせて頂きました。

では、改めて語らせて頂きます。



~『0番目のキャラクター』を存分に活かす~


どんなダンジョンRPGでもゲーム開始時はまだキャラメイクをしていないのでパーティーが組まれていません。つまり人はその場にいないことになります。

ところが、作品によってはこの状態でキャラクターがこちらに話しかけてくることがあるわけで、この様な場合を指して、

パーティーがいなくても話しかけられる=誰かはそこにいる

の図式から、『0番目のキャラクター』という考え方が成されてきました。


このキャラクターはこれからパーティーに加わるのかもしれませんし、戦うことはないけど一緒に着いていくのかもしれません。若しくはパーティーの指導者であり、ヤドヤで冒険者がダンジョンから帰ってくるのを待っているのかもしれません。

つまり、どういう存在なのかはプレイヤーの想像に任せているキャラクターとなっています。


ルフランでは0番目のキャラクターを、ダンジョンでの出来事を記すキーパーソン『妖路歴程』が演じることになります。

システム上では各ダンジョンのオートマッピングや出来事、ドロニア達の行動(あらすじ)を記録してくれるのですが、この妖路歴程はプレイヤーの分身でもあります。

イベントでは時々こちらに訪ねられることもありますが、本であるため「肯定」「否定」「沈黙」と最低限の受け答えしかできない点がむしろプレイヤーの心情を反映しやすいかと。


ダンジョンRPGによく実装されているシステムを0番目のキャラクターに行わせるという手法は、合理的であり物語としても説得力がありますね。



~表の主役とダンジョン探索の主役~


ゲームの進み方は、

・ドロニア一行の調査や街の人との関わり

・ドロニア(というかプレイヤー)が作成した『人形兵』を用いてダンジョンを探索

ダンジョンから帰還し、妖路歴程に記された情報からドロニアがまた調査…


という流れとなっています。

ドロニア本人がダンジョンに侵入することはないので、メインであるダンジョン探索の主役はプレイヤーである妖路歴程です。

役割がはっきり別れているためお互いが関わる機会は少ないですが、それぞれの仕事をこなすことで絡み合いながら事件の真相に近づいていくことでドロニアとプレイヤーの距離の近さを実感できました。

物語も面白く、ドロニアの調査が「えっ、ここで終わるの!?」と気になるところでダンジョン探索に戻されるので、早く続きが見たくなるんですよね。でもボスで躓いてレベル上げの日々ですが。



~戦闘を乗り越える選択肢が豊富~


さて、この手のジャンルは「レベルも装備もどちらかが欠けると難しい」のがお約束ですが、ルフランでは時間さえ掛ければ解決できるように設計されています。

レベルが1に戻る変わりに、レベルアップ時のパラメータを大きく上げる「人形移し」というシステムを使うことで、戦力の底上げが可能になるからです。
人形移しをしたばかりでは大変ですが、ある程度レベルが上がれば戦力が充実していくのを実感できるでしょう。


他にも、前衛と後衛の数によって発生する「陣形」や、カヴン(本来1つのキャラクター枠に複数のキャラクターや戦闘には直接参加しないサポートメンバーを入れたり、特殊な技を使用できる)の見直しを行えば、全く歯が立たなかった相手をあっさり倒すことも可能です。

ゲームの途中で難易度も変えられますし、変更しても特にペナルティは存在しませんから、物語が気になる人は緩くしても大丈夫ですよ。
因みに難易度を上げると敵の行動が非常に苛烈になって歯応えはかなりのものでした。結構リセットしたなー…。


惜しむらくは後半の戦闘において、敵はほぼ全体攻撃をしてくること、職業の格差が大きいことでしょう。

前者はパーティー人数や職業の使いどころの都合もあるので仕方ないですが、後者は爆発的ダメージを叩き出す『ドナムマスター』が他の追従を許さないほどに優秀です。
スキルが優秀な『ゴシックコッペリア』、前衛後衛どちらでも活躍できる『アステルナイト』、職業の特性上不可欠な『ピアフォートレス』など個性は被ってないのですが、『シノブシ』だけはステータスや特性、スキルがいまいちパッとしないのが勿体無いですね。

職業格差はどんなゲームにもあるのですが、上と下の差がここまで離れているのはちょっと残念でした。



~圧倒的ダークさと、時折見せる暖かさ~


日本一ソフトウェアの作品はギャグとシリアスに比重が置かれることが多いのですが、今作のようにキッツいダークな物語で語られることもあります。


物語のネタバレは避けますが、ルフランは世界観も登場人物も何もかもが徹底的にダークです。目を背けたくなるような話が散りばめられており、その度に重い雰囲気になることでしょう。
ですが、そうした中で不意に訪れる暖かさが垣間見える時があり、それが作品の印象を際立たせてくれました。
苦悩しながら前に進もうとするドロニア一行の行く末を妖路歴程として戦っていくのは本当に楽しかったですね。



ダンジョンRPG好きだけでなく、何よりゲームが好きなら触れて欲しい~


明るく楽しい冒険活劇、というわけではありませんから万人にお勧めとはいきませんが、僕は最後まで楽しむことができました。
ストーリー、システム、試行錯誤と全ての面においてここまでハマったのは久しぶりの感触です。

まだ11月ですが、今年1番、そして今までプレイしたゲームの中でもトップクラスの出来だと感じています。


ゲームをしていない時にふと訪れる、帰ったらこんなプレイをしてみようと考えてしまうくらいの、オススメ作品です。





~余談スペース~


・もう語りたいことは出し尽くしたので、是非プレイしてみて欲しい!
本当にそれだけですね。


・上記で語った『ドナムマスター』ですが、本気で育成すれば他の食とは1桁違うほどのダメージを叩き出せます。シノブシ涙目。