ゾンビが出てくるゲームが好きな人って、やはり恐怖や緊迫感が醍醐味なのだと考えていますが、苦手な人はパッケージを手に取るのも嫌ですよね。
そこにB級映画とアメリカンテイスト、チアガールを混ぜた作品なら、少し気になりませんか?
おバカなノリとゾンビの組み合わせは、ホラーをギャグに変えてくれますよ。
※限定版『プレミアム・エディション』はCERO「Z」指定となっています。
18歳未満の方は購入をお控え下さい。
アメリカ西海岸にある『サン・ロメロハイスクール』に通う、チアリーダー部所属のジュリエット。
実は彼女の家系は太古から続くゾンビハンターとしての顔を持っており、ジュリエットもその一員だった。
その日はジュリエットにとって特別な日、彼女の誕生日だった。
恋人のニックと待ち合わせのため、自転車で駆けながら学校に着いたジュリエットの目の前には、ゾンビに変わり果てた生徒達の姿だった。
ニックも危うくゾンビに成りかけるが、ジュリエットの機転で秘術によって生首だけの状態に。
このゾンビパニックの中、ジュリエットはゾンビハンターとして両手にチェーンソーと、腰にニックをぶら下げて学校に乗り込む。
ゾンビの群れをなぎ倒しながら進んでいく、ステージ選択型のアクションゲームです。
「トワイライトシンドローム」などで有名な須田剛一氏が手掛けただけのことはあり、非常にエッジの効いた設定とデザインになっています。
~表現がマイルドだから遊びやすい~
ゾンビが出てくる作品というのは、大抵ゴア表現を伴います。良くも悪くもそこがポイントなのですが、やはり嫌な人は嫌ですよね。
が、ロリポップ・チェーンソーの流血表現はキラキラしたピンクが飛び散る謎のポップさのおかげで、エグさはかなり軽減されています。
アメリカの学校が舞台のだからなのか、ゾンビもステージボスもテンションが高めの敵が多いのもホラーから遠ざけている一因でしょう。
ステージ中はジュリエットとニックの夫婦漫才があちこちで繰り出されるため、テンポ良く進んでいくことが出来ます。
~爽快感を得るためのちょっとした味付け~
基本的にはチェーンソーでゾンビをぶった斬っていくのですが、耐久値が少し高めなのか適当に連打していてもゾンビは倒れません。
「三國無双」のようなアクションだと思っているとやりにくいかもしれません。
『チアアクション』と呼ばれる、チアガールと体術を組み合わせたかのような隙の少ない攻撃でゾンビを気絶させ、そこにチェーンソーで切り込んでいくことで効率良く倒すのが基本でしょうか。
これだけだと下ごしらえが必要で面倒くさく感じるかもしれませんが、回復アイテムや新しいアクション、そしてコスチュームを購入できる『メダル』入手増加のボーナスが入ります。
ひと手間かけてからの一気になぎ倒す+ボーナス発生の効果音と相まって爽快感は病みつきになること必死です。
最初は複数巻き込むのは難しいですが、2人を目処に練習していれば5~6人くらいできるようになりますよ。1度達成したなら、また爽快感を求めて自然と操作が洗練されていくので、モチベーションと上達が上手いこと噛み合っていると思います。
~気軽に選びにくいステージ構成はマイナス~
全部で6ステージの選択型のこのゲーム、「もしかしてボリューム不足なの?」と考える方もいらっしゃると思いますが、ボリュームはかなりのものです。
むしろそのボリュームが本作にとって足を引っ張っているといえます。
本作では1ステージ内で1ボスを倒す流れになっており、合間にはミニゲームも挟まれています。つまり、「前半ステージ+ミニゲーム+後半ステージ+ボス戦」までが1ステージ。長ぇよ。
気軽にリトライできますし、前述したように道中は明るい雰囲気でジュリエット達がしゃべるのでプレイそのものは楽しいのですが、ミニゲームよりゾンビを切りたい時や苦手な箇所があるとステージ選択が億劫になりがちです。
せめて上記の構成をそれぞれ4分割してくれたなら、
・好きなステージで稼ぐ
・苦手なステージを練習する
・ミニゲームで気分転換
・ボス戦に集中
と、プレイヤーが自分のペースでやり込むことができたと思います。コンセプト含めて良いゲームなだけに、ここが勿体ないですね。
~ジュリエットが可愛い~
ふざけているわけではなく、ゾンビゲームを苦手な人でも楽しめるようにできる根幹にジュリエットの存在があるため、実は本作にとって大変重要なことだったりします。
彼女を中心に展開されるニックとの会話や家族からの電話は笑える内容が多く、チアガールならではのアクションは華麗な動きなので恐怖からミスを誘発するといった場面は起こりにくいです。
そしてボーナスでコインを集めたなら、ショップでコスチュームを購入する収集要素も醍醐味です。
アメリカ人ならではのプロポーションを持ったジュリエットですから、原色で派手な衣装との相性が抜群です。
彼女を操作すること=恐怖のウェイトが占める割合を大幅に減少させている
といった点が、今までのゾンビゲーとは一線を画した作りになっているのでしょう。
~表裏のパッケージが気に入ったなら大丈夫~
それでも作品の雰囲気が自分に合うかどうかお悩みの方、1度お店で手に取ってみて下さい。
パッケージを見て面白そうだな、と思えれば作風で拒否することはまずないでしょう。
苦手な人だけでなく、ホラーが好きな人も、おバカなB級映画を見るつもりでプレイしてみては如何でしょうか。
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~余談スペース~
・初回限定版のみですが、オプションで流血表現を本来の血しぶきに変えることができます。
そっちの方が好きな方は是非。
重ねて言いますが、18歳未満の方は購入しないよう、お気をつけ下さい。
・海外では非常にウケが良かったらしく、日本より知名度が高い作品でもあります。
向こうではジュリエットのコスプレをする人が多かったとか。
・「プレミアム・エディション」ではPS3とXBOX360で一部コスチュームに違いがあります。
XBOX版の方が露出面でエロいけど、PS3版も独特のエロチックさがあると思うよ!