ファンタジーの世界に浸る要因は、人によって様々であると思いますが、ドワーフやエルフなどの異種族や恐ろしいモンスターが登場したり、伝説の武具の存在を仄めかされれば心踊りますね。
或いは、その作品の世界設定も重要なファクターでしょう。
僕はそのどれもがファンタジーを感じる要素ではありますが、もう1つ、ワクワクさせてくれるポイントがあるのです。
ゲームブック風のナレーションが入ること。
おっさんくさいかもしれませんが、冒頭からいきなりこれをされると、僕の胸の内に凄い勢いで期待が高まっていくのが分かるんです。
このゲーム、僕にとってファンタジー世界を追いかけるのに夢中になれる要素ばかりですから、未だにプレイしてしまうんですよね。
ハイドランド王国。
この地はかつて栄華を極めたとされる「エリシア文明」が存在した地である。
王国には、あの伝説のドラゴンを意のままに操ることのできる『ドラゴンズクラウン』という伝説の王冠の噂があった。
隣国の脅威にさらされている今、ハイドランド王国にとってドラゴンズクラウンの入手は必要不可欠でもあったが、それはこれからの波乱の幕開けでもあった。
同じ頃、ある冒険者がハイドランド王国に訪れた。
この地に訪れた経緯は違えど、冒険者にとってはやるべきことは同じである。
まずはギルドを訪ねるその冒険者に、王国の存亡が懸かっていた。
本来のストーリーはゲームブック風で読んでて楽しいのですが、それだと目的が分かりにくいのでこんな形にしてみました。
ゲームの概容は、『ドラゴンズクラウン』に関する事柄をメインに、迷宮にて敵を倒しながら進むベルトスクロールアクションとなっています。
~ファンタジーお馴染みのプレイヤーキャラクター~
自分の分身となるプレイヤーキャラクター達ですが、非常に個性に溢れています。
1人ずつ紹介していきますが、それぞれのキャラクターを理解するのに前提知識が必要かと思いますので、「前衛職」「魔法職」「エルフ」で分けて説明していきます。
☆前衛職…□ボタンを押すことで攻撃し、さらに入力すれば連続攻撃に繋げられます。
○ボタンを押すことで発生する『メガクラッシュ』は、威力は絶大である代わりに発動までには時間が掛かること、しばらく装備していた武器が使用できなくなります。
とはいえ、発動するまでの構え中は無敵であり、武器が使えなくてもパンチやキックなどの体術で攻撃することができるため、必要なら惜しまず使いましょう。
・ファイター
癖の無い通常攻撃と安定したステータスのおかげで、非常に使いやすいクラス。
全クラスを通じてファイターのみ盾を装備することができ、ガードに成功すればダメージが無いことも扱いやすさに拍車をかける。
ガード中は周囲にいるパーティーメンバーも同時に守る『カバーアライズ』、挑発して敵を引き付ける『アトラクト』のおかげでディフェンス面はかなり優秀。
一定時間パーティーが受けたダメージを肩代わりする『サクリファイス』はかなり癖があるが、状況によっては非常に優位に立てる。
・アマゾン
鈍重な両手武器を扱う女性。
アマゾンの特徴に、攻撃を当て続けることで移動&攻撃スピードが増加するので、常に攻撃をヒットさせることで爆発的な殲滅力を発揮するので、オフェンス面は他の追随を許さない。
1回の攻撃が多重ヒットする『オーバーラップ』、連続で攻撃すればするほどダメージが増加する『バーサーク』に加え、HPを消費するが効果時間中は一切仰け反らなくなる『イモータル』など、攻撃に関するスキルが豊富。
反面、ディフェンススキルはタイミングが重要な『パリィ』以外存在しないため、殲滅か回避かの判断が重要であり、ミスると手痛いダメージをくらうので注意が必要。
その特性から、緩慢な動きをする大型の敵には相性が良い。
・ドワーフ
防御力が高いがガードができない、移動が遅くおまけに攻撃速度もリーチも頼りないが、強力なスキルと『投げ攻撃』が特徴のパワーファイター。
一部の敵を除き、敵を掴んで投げることで大ダメージを与える他、投げた先に敵がいると巻き込んでダメージを与えることができるので、乱戦に非常に強い。
囲まれても片側の敵を反対側に投げるだけで、後はまとめて攻撃して殲滅することも可能。
□ボタンを長押しすることで防御力を上げる『パンプアップ』、爆弾を取り出す『ボムザック』、武器を手放した状態の素手の攻撃力を上げる『リーサルフィスト』と、適正に使用すれば強力なスキルが多い。
特に『リーサルフィスト』は、スキルを最大まで上げると武器を使用するより威力が高くなることも。
難点は通常攻撃の緩慢さと手数の少なさから、浮かせて攻撃し続けるなどの手段が難しいことと、咄嗟にガードができないこと、スキルを活かせないと他の前衛職に大きく劣ること。
そこを乗り切れるかどうかが分かれ目。
☆魔法職…□ボタンでMPを吸収する『マジックショット』を放ち、○ボタンでMPを消費して装備した杖から『属性魔法』を詠唱できます。
属性は装備する杖によって変わり、それぞれ『炎』『氷』『雷』となっているので、上手く使い分けると戦況が有利になります。
魔法職は回数制のアイテム『魔導書』を購入することで、威力の高い攻撃方法が存在します。要所で使えば前衛職以上のダメージを叩き出すことも可能です。
□ボタン長押しでMPを回復できますが、そもそもメイン攻撃が属性魔法なのでMP管理は必須。
後述する2クラス共通のスキル『マジックポイントアップ』は欲しいですね。
そのため、ある程度はテクニックが要求される、中級者向けだと思います。
・ウィザード
魔法攻撃の成長率がずば抜けており、硬い敵でも魔法の耐性が低ければ大ダメージを与えることができる、バックのアタッカー。
魔法の威力が最も高い『メテオスウォーム』、敵の動きを遅くする『スロウ』、即死効果のある『エクスティンクション』といった瞬間効果の高いスキルを多く所有する。
特に『スロウ』は敵がほとんどただの的に成り下がるので、前衛職との連係で完封勝利も起こり得るほど凶悪。
・ソーサレス。
女性の魔法職だが、ウィザードとはステータスとスキルの構成が少々異なる。
ウィザードが攻撃面ならソーサレスは補助魔法が豊富であり、敵の弱体化やパーティーの強化の底上げに貢献できる。
道中に落ちている骨を仲間として使役する『アニメイトスケルトン』、敵を無力なカエルに変化させる『カース』、HPを回復させる食べ物を出現させる『クリエイトフード』が代表的。
『クリエイトフード』は道中に落ちている食べ物と効果は全く同じだが、任意で回復することができるので、ソーサレスがいるとパーティーの生存率が飛躍的に高くなる。
☆エルフ
項目を別に作らなければいけないほど、非常にテクニカルなクラス。
□ボタンで蹴り、○ボタンで弓矢を放つので、遠近どちらも対応できるが蹴りは威力が弱いのでスキルで補わないと余り役に立たない。
性能としてはステータスがバランス良く成長し、回避性能の高さは他のクラスとは比べ物にならないほど優秀なため、得意な距離を保って戦えれば非常に強い。
またエルフ特有のアイテム『エキス』『オイル』を使うことで弓に魔法ダメージを載せることができるので、どんな状況にも対応できる点が強み。
ただし、そのためにはたくさんの知識と性能の把握ができていることが前提であり、スキルの割り振りや適正に使用できなければ何も対処できずに終わってしまう。そのため、上級者向けのクラス。
矢を連射できる『ラピッドショット』、近接攻撃のダガーを取り出す『オプションダガー』、矢とダガーに毒の追加効果を付与する『トキシックエキス』、蹴りの威力を上げる『ブーツエンハンス』など、多岐に渡ってスキルが存在する。
全てのスキルを満遍なく上げると器用貧乏は免れないので、ある程度の方向性を決めておくのがベター。
…ちょっと説明が長かったですかね。
でも、どのクラスも面白そうだと感じませんか?
選んだキャラクターによって採る戦術が大きく変わるのは当たり前のことなのでしょうが、何が面白いって1つのクラスでもスキルの取り方でプレイ感覚が大きく変わることです。
例えばドワーフなら、
①『リーサルフィスト』のスキルを最大まで上げて、『パンプアップ』で受けるダメージを減らせるので、武器がなくても正面から殴りあい
②『ボムザック』『ファイアーバレル』などのスキルで火属性の爆発アイテムを取り出して、投げつけることで集団にまとめてダメージ
など、自身で戦闘の方向性を特徴づけることができます。
そういう意味では一番プレイスタイルを楽しめるのはエルフですね。
ただし、エルフの場合は先述の通り適当にスキルを選択すると器用貧乏になりやすいので、ある程度慣れてから考えないと厳しいです。もちろん、そこが醍醐味なのですが。
~資金を得るか仲間を得るか、それとも装備品にまわすのか~
迷宮内に置かれた宝箱からは、多くの装備品が手に入ります。
探索を終えた後には、装備品を鑑定できるのですが、全てを鑑定してしまうと売却しても収支が赤字になってしまいます。
そのため、ある程度の入手品は売却しなければ首が回らなくなるのですが、武器や防具にはその値を示す数値の他にも、「ステータス異常攻撃」「ドロップアイテムの確率アップ」などの特殊効果が付与していたりします。
これも鑑定しないと分からないので、どこまで売却するのかも悩み所でして…。
それと、装備品は使用するほど『耐久値』が下がり、0になると本来の性能を発揮しないので、こまめに修理しないと厳しくなります。
また、迷宮で拾った骨を『カナン寺院』にて蘇生させることで共に迷宮を探索する仲間を増やせるため、ここにも資金を残しておかないといけません。
自身のとパーティーの強化、資金のやりくり。
この一連のやりとりは正に冒険者であることをプレイヤーに自然と自覚させ、ゲームにのめり込ませてしまうのです。
中盤以降、1つの迷宮をクリアした際に、装備品の耐久値や獲得スコアを引き継いで、連続で次のステージに挑戦することができるようになります。
状況によっては厳しいかもしれませんが、連続挑戦ボーナスとして獲得スコアや資金の増加、宝箱からの入手品のランクアップなどが狙えますから、効率的に稼ぐためにも必須になってきます。
止め時も重要ですが、冒険から帰還した後の大量の入手品の一覧は癖になりますね。そりゃこんなことが起これば冒険者になるのも理解できます。
~どんどんタッチしてみよう~
右スティックを使用することで赤い指のマークが出てくるのですが、
「壁に書かれた特定のルーン文字を組み合わせて発動させる」
「背景の光っている部分をタッチすることでスコアアイテムが手に入る」
など、利用することでプレイヤーに有利になります。
Vitaであれば直接タッチでも反応しますので、据え置き機より素早く動かせます。
この指カーソル、実は他の場所でも使用でき、一部の女性キャラクターの身体のとある部分なら高確率で反応するキャラクターが画面に映っている時は殆ど特定の場所をタッチすることで説明やコメントが入ります。それを調べてみるのも面白いですよ。
あ、スタッフロール中でも指カーソルは動かせます。なんの意味もありませんが。
~コッテコテのファンタジーを味わいませんか~
ベルトスクロールアクションって、以外と疲れるんですよね。しばらくプレイすると飽きるものです。
それでもまたプレイしたくなるのは、
ハイファンタジーの王道を地でいく美しい世界観
世界資金の調達に奔走して何を強化するのか考える楽しさ
そして何よりリスクを背負った分の旨みを知ったプレイヤーの意欲を加速させ、冒険者であることを強く意識するシステムの構築
その1つ1つが上手く絡み合ったのがドラゴンズクラウンだと思います。
ある意味日本のファンタジー文化の集合体ともいえるこの作品、是非ともプレイして味わって欲しいです。
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~余談スペース~
・この記事作成のために、全キャラのクリアをしたのがおよそ10日前。エルフの所で時間掛けすぎました。
全部書くと冗長になってしまうので、どこまで説明するか悩みましたね。
これで伝わっていると良いのですが、相変わらず文章力が向上していない様な…。
・漢ならこれを読め。