FC時代からハードボイルドゲームを代表する、「神宮寺 三郎(じんぐうじ さぶろう)」シリーズが好きな方はいらっしゃいませんか?
新宿の歌舞伎町で探偵事務所を営み、助手の「御苑 洋子(みその ようこ)」と共に難事件に挑む…。
非常にシリアスで重厚なストーリーが展開されます。
僕はこのシリーズのおかげでサスペンスドラマを見るようになり、そこから更に国内外問わず推理小説を読むようになりました。
神宮寺宛に大学時代の友人である、大河原 哲司(おおがわら てつじ)が亡くなったとの知らせが届いた。
助手の洋子と共に哲司の家に向かう神宮寺。
その告別式にて、神宮寺は哲司の母に大学時代の哲司の恋人に遺品を渡すことを頼まれ、報告役として大河原家のメイド、「池内 春菜(いけうち はるな)」を同行させることを告げる。
何故、自分なのか。
状況が掴めず困惑しながらも引き受ける神宮寺だったが、今度はその夜に友人の熊野警部が訪れ、近頃巷で話題になっている「ゆうちゃん」の存在を調べることを頼まれた。
奇妙な依頼と、漠然とした調査。
2つの出来事は、神宮寺にとって事件の始まりに過ぎなかった。
シリーズ10作目にあたる今作は、ゲームボーイアドバンスでの発売となりました。
今までのシリーズの売りである、シリアスな部分は変わらずに、携帯気ならではの実験的な試みがなされています。
~オーソドックスな選択型アドベンチャー~
このシリーズは基本的に
足を使って情報を得て捜査を続け、
ある程度まで進んだら情報を整理して新たな課題を見つけ、
その繰り返しで事件を解決へと導く、
探偵モノの基本の流れを組んだアドベンチャーです。
様々な場所を選択し、そこでの行動を決める。
新たな情報を得たら、そこから更に発展する。
ゲームとしてはありふれているのに、何故、面白いと思えるのか。それをご紹介させて頂きます。
~ゲームの雰囲気がブレない~
主人公の神宮寺を中心とした登場人物たちは、大人の様々な一面を見せてくれます。
真面目な時はもちろん、何かに怒ったり、憂いたり、時にふざけたりもしますが、このシリーズの持ち味であるハードボイルドの軸から逸脱することはありません。
大人が醸し出すアダルトな世界観、社会の歪な構造や人々の思惑、それらが織り成すゲームの雰囲気がプレイヤーの興味を強く引き込ませてくれます。
何かを掴む度に表れる謎を、探偵として最後まで堪能できますよ。
~シリーズ異色の実験要素~
今作のみの試みとして、『パートナーシステム』という制度を採用しています。
これはシリーズお馴染みの洋子と、今作のゲストキャラクターである春菜のどちらかを調査に同行するパートナーとして選ぶことができるシステムです。
ゲームの要所で推理を行う際に、パートナーは神宮寺と一緒に推理してくれます。仮に神宮寺が推理を間違えても、パートナーが正解していれば先へ進むことが可能になりました。
ゲームボーイアドバンスというハードのプレイヤー層を考えた、一種の救済措置なのでしょう。
推理が正解した時に入手できる『探偵ポイント』を振り分けることで、助手の2人は成長し、推理の精度が高くなります。
初期の推理力はひどいですけど。
2人のパートナーの性格が違うので、調査時のリアクション、神宮寺との会話にもちょっとした変化があります。
・真面目で落ち着いて状況を確認する洋子
・明るく元気一杯、情報を掴むのに積極的な春菜
この掛け合いを見るためにまたプレイしてしまうわけです。連れていくパートナーが変わっても、ストーリーが変わるわけではないのですが、何故か新鮮味を感じます。
ちょっと話がゲームから逸れますが、TVドラマ「相棒」も、主人公と捜査を共にするパートナーがシーズン毎に変わります。
これによってそれぞれのシーズンにアクセントがつけられていますが、もしかしたらそれに近いのかもしれませんね。
~事件は難しく、プレイヤーにはやさしく~
難易度はそれほど高くありません。あくまで事件の謎を追いかけるのを楽しむゲームです。
ゲームボーイアドバンスからの発売の事情なのか、残酷な表現はほとんどありませんので、初めての人にも受け入れやすいと思います。
次に何をするべきか分からなくなった場合でも、情報を整理して次にすべきことを確認するコマンドもありますから、落ちついて探偵気分を味わいましょう。
他のシリーズやゲームと比べると、ハードボイルドの入門にはぴったりなこのゲーム、皆様も楽しんでみては如何でしょうか。
探偵 神宮寺三郎 白い影の少女 Best Collection
- 出版社/メーカー: マーベラスインタラクティブ
- 発売日: 2006/03/16
- メディア: Video Game
- クリック: 2回
- この商品を含むブログ (6件) を見る
~余談スペース~
・現在、神宮寺三郎シリーズは2012年に発売された3DS作品、「復讐の輪舞」から音沙汰がありません。
ずっと待っていますので、発売してほしいなぁ…。
・神宮寺をずっと支える洋子ですが、作品毎に容姿が変わります。どうやらキャラクター原案の寺田克也氏いわく、「取り立てて特徴がない」らしく、毎回苦労しているそうです。
では、上の画像と見比べてみましょう。
右の女性が洋子ですよ。
- 出版社/メーカー: アークシステムワークス
- 発売日: 2010/09/30
- メディア: Video Game
- 購入: 2人 クリック: 27回
- この商品を含むブログ (12件) を見る
誰だお前。